2005年05月13日

《利益重視へ体質改善》 遠山仁一氏 東海興業社長

■本日の社長■

遠山仁一氏
東海興業社長



■社長からの議題■

「利益重視へ体質改善」


■<社長>たちへの提案事項■

社会の非常識がいつのまにか社内の常識になっている、そんな例がないだ
ろうか。
社内で当たり前となってしまった常識が、会社に悪影響を及ぼしていない
かどうか、再確認してみよう。

体質改善をしよう、取り返しがつかなくなる前に。




■提案事項にいたるまでの議事録■

東海興業はかつて負債総額5110億円をかかえ、倒産した経緯がある。
平成2000年2月に更生計画が認可され、そして2005年3月1日付で東京地方裁判所より更生手続終結の決定が下された。その間、約5年。

遠山氏が行っていたことは、「体質改善」。

利益よりも売上を追求し、損が出るとわかっていても受注してしまうという体質が、同社のみならず業界全体に蔓延していたらしい。そんな体質が東海興業の負債を肥大させていったのだろう。

遠山氏はその「悪しき体質」の改善に、つとめていたようだ。

利益があがらないとわかっている案件を、受注するわけがない!…と、普通はそれが常識だと断言できる。いたずらに負債を増やすという行為は、ビジネスとは言えないはずだから。

しかしかつての東海興業は違った。
「利益」ではなく「売上」を追求する体質が出来上がっていたのだ。

「利益=売上−コスト」

売上が100億あったとしても、コストが売上を上回れば当然、赤字となる。単純なものだ。

しかし、利益を上げることが常識だと言えるのは、「そういう世界に生きているから」ともいえる。
かつての東海興業の社内は、利益よりも「売上を挙げることが常識」だったに違いない。
「はぁ? そんなの常識じゃない」と思われる<社長>もいることだろう。

まず、「常識」という定義について確認しておこう。
辞書をめくると、こう書いてある。

(1)ある社会で、人々の間に広く承認され、当然もっているはずの知識や判断力。
「―では考えられない奇行」「―に欠ける」
(2)「共通感覚」に同じ。

ここで重要なのは、(1)にある「ある社会で―」というくだり。
「ある社会」とは、限定された空間や環境を指している。
つまり「常識」とは、「万人にとってのあたりまえ」ではなく、「限られた社会の中でのあたりまえ」のことだ。

法治国家では、殺人は悪だ。これが常識。
しかし、戦時中における殺人は、必ずしも悪とは言い切れない風潮が出来あがる。
極端な例だが、そういうことだ。

かつての東海興業には、利益よりも「売上があげられないことが悪」という常識が蔓延していたのかもしれない。


赤字を抱えた企業の再建を任される…そのことが、どれほど大変なのか僕には想像することしかできない。
しかし遠山氏は、二度の繰上げ弁済を行い、前倒しで更生手続を終結させた。

今春入社予定の新入社員は約20人。そして来春は今年の2倍以上に増やす予定とのこと。
若い細胞(社員)が、新しい体質を作り上げてくれそうだ。


■会社概要■

[非上場]東海興業株式会社

・設立
 (調べられませんでした。)

・資本金
 572,200,000円

・従業員数
 670人

・事業内容
 総合建設業(企画・設計・施工)
 不動産の売買並びに管理


・ホームページURL
http://www.tokai-kogyo.co.jp/


■原文掲載(日本経済新聞より)■

・記事掲載日
[2005.05.13(金)]

・表題
[赤字受注はご法度]

・本文
▽…「赤字工事の受注はご法度だ」。主力のマンション建設事業で採算性を重視するように、社員に何度でも繰り返し言って聞かせる。最後には必ず自分で案件をチェックし「少しでも疑問に感じた場合は手を引く」という。

▽…赤字受注をやめるのは簡単なようで難しい。損が出るとわかっていても「目先の売り上げを確保する体質が業界全体で抜けきっていない」とみる。今年三月一日には東京地裁から会社更生手続きの終結決定を前倒しで受けた。だが、手綱を緩める気配はまだない。



executive_brain at 00:00│TrackBack(0)「回転いす」の経営者たち 

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