2005年06月03日

《不可能という壁》 上原明氏 大正製薬社長

■本日の社長■

上原明氏
大正製薬社長


■社長からの議題■

「不可能という壁」


■<社長>たちへの提案事項■

いまあなたが「不可能」だと感じていることは、単にあなたが「やりたくない」と思っていることなのかもしれません。

なぜやりたくないのか洗い出し、その解消法を考えて見ましょう。

いろいろな理由をつけて、今やるべきことを先延ばししている人は、なぜ今やらないのか考えて見ましょう。
その「今やらない理由」は根拠のあるものでしょうか。



■提案事項にいたるまでの議事録■

店頭での販売価格が下落し、メーカーへの収益が目減りしています。
大正製薬は特徴ある新製品の開発をし、価格の下落を防ぎたいところ。

ただ、人体への影響が少なくない薬品などの製品は法規制が強く、法律に抵触するかもしれないという恐れから、「現状維持の姿勢」になってしまいがち。

そんなとき、「勝手に無理と決め付けるな」と、上原氏は言うそうです。


実のところ、「不可能」であるという理由を見つけさえしなければ、人は何事にもチャレンジすることができるようになるかもしれません。

人は行動を起こすそのために、「理由付け」をすることが多いからです。

「理由があるから行動する」というわけではなく、「行動したいから理由をさがす」、そんな人の方が多数を占めるのではないでしょうか。


例えば、ある夫婦が自動車の購入でもめていました。
夫は自動車が欲しい。しかし、妻は欲しくはありません。

夫「遠出をしやすい。買い物に便利。雨が降っても濡れない。子供ができたら絶対に必要になるって」

妻「税金高い。車検も必要。ガソリン、駐車場、自動車保険、とにかくカネがかかるからムリっ」

・・・どちらの理由ももっともらしく聞こえますが、この夫婦は結局のところ、自分の思い込みや主張を通すための理由を、ただ並べ立てているだけにすぎないような気もします。
自動車が好きな人は、買うことで得られるメリットをいくらでも思いつくだろうし、嫌いな人はデメリットばかり口から出てくるでしょう。


できない理由、やりたくない理由をつい見つけてしまうのは、それでよいと思います。
頭に浮かんでくるのを、むりやり抑制しても仕方ありませんしね。
「できない理由」「やりたくない理由」を列挙してみましょう。

そして理由を列挙したら、その「できない理由」を解消する方法を考えてみれば良いのではないでしょうか。

方法を考えてみることによって「できない理由」が、実は根拠に乏しいということが発見できるかもしれません。


「法規制」を理由に新製品の開発にしり込みをしている社員に対し、社長である上原氏は「不可能だと法律の何条に書いてあるのか。勝手に無理と決め付けるな」と、戒めているそうです。

上原社長の言うとおり、法律に「奇抜な新製品の開発は違法」と書いてあるわけではないのでしょう。
「薬事法の規制がある」というのは、実は思い込みに近く、根拠に乏しいものであったことがわかります。


そういった思い込みを排除しつつ、上原社長率いる大正製薬が今後、どのような「特徴ある新製品」を生み出すのか楽しみにしていましょう。



■会社概要■

[4535]大正製薬株式会社

・設立
 1928年05月05日(創業 1912[大正元]年10月12日)

・資本金
 29,804,000,000円

・従業員数
 連結 5378人
 単独 3346人

・事業内容
 大衆薬最大手でリポビタンDが収益柱。02年富山化学に出資し03年4月に医療用の販売を統合

・ホームページURL
http://www.taisho.co.jp/

・株価チャート
http://chart.finance.livedoor.com/index?stock_id=4535


■原文掲載(日本経済新聞より)■

・記事掲載日
[2005.06.03(金)]

・表題
[消費者への対応学べ]

・本文
▽…薄型テレビなど店頭価格の急落がメーカーの収益を圧迫している製品は多い。「当社の主力のドリンク剤などは、ミネラルウォーターより安く薬局の店頭に並ぶことも多い」と厳しい表情。価格下落に歯止めをかける特徴ある新製品の開発を急ぐよう、社内に指示を飛ばし続けている。

▽…開発段階では「薬事法の規制があり、奇抜な製品など作れない」と消極的な声があがる。そのたびに「不可能だと法律の何条に書いてあるのか。勝手に無理と決め付けるな」と、法規制の強い業種が陥りがちな現状維持の姿勢を戒める。「化粧品や日用品メーカーから消費者への対応を学べ」と説く毎日だ。


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